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とにかく、それがきっかけで人間は機械を全く信用しなくなって、機械の代わりに人間の中に機械を埋め込んで運用していこうとしたんだ。
それで作られたのが彼女。
どうやって機械が埋め込まれたかは僕にはわからないけど、あの真っ白い髪と虚ろな目を見る限り、かなり酷いことをされたんじゃないかな。
おお。人間って怖い怖い。
えっ?
そんなこと言ってないで、自己紹介したらどうだって?
ふんふん。そんなに僕のことが気になるかい。
僕の名前は第203号。
主に人間とお話をしたり、介護をする目的で作られた機械人間。で今は、「白」の監視と報告書づくり、身の回りのお世話とかがお仕事。
まあそれ以外にやることもないから、いつもは彼女の頭についているヘルメットの、大量のコードの束を見て時間を潰すか、ここ数日で身につけた半スリープモードに切り変えて座っているよ。
おっと。もうすぐ彼女の演算が一区切りつきそうだ。
もう晩ご飯も食べさせてあげたし、あとはお風呂に入れて部屋に運んだらお仕事終了かな。
はああ。今日は独り言が長くなっちゃって疲れた。
この独り言の機能、いつか整備士さんに直してもらおっかな。
まあいいや。今日は充電ましましでお願いしようっと。
7月8日 21時32分 業務終了。
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