彼女は実は人間だったりする。

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……まあでも正直、僕はこの日が嫌い。 人間って酔うとすっごく面倒だし、あのお酒のにおいもいやだ。 (っていうのは、国の関係者の中に隠れて飲んでいる人たちがいるからね。これは内緒だよ。) ともかく、そう言う理由もあって、今日は一段と暇なんだ。 まだ業務終了の時間には間があるし、これといってやることもない。 ……でも、唯一やってみたいことといえば、「白」との会話かな。 彼女は今まで一度も目を合わせていないし、声を出していなければ話したこともない。 果たして会話という機能が彼女に残っているかどうか、確かめてみたくなってしまうのだ。 でも、どんな感じに話せばいいんだろう。 いきなり「今日はいい天気ですね。」なんて言われても、普通の人間でさえ回答に困ってしまうだろうし。 ここは無難にいってみようか? 僕は部屋の中央の席に座る彼女のそばに行くと、少しかがんだ。 「白さん。何かお飲み物は召し上がりますか?」 「………………。」 応答なし。 質問が悪かっただろうか? 「いえ、今日は気温が上がっていますから、白さんが喉が渇いていないかと思いまして。何か必要なものがあったら、おっしゃってください。ここに無いものでも頼めば持ってきてくれますし、食べ物だって……」 「……白。」     
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