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「確かに去年、あの戦争が終わってから全ての機械が処分され、白のように、人間に機械を埋め込む実験が計画されました。」
僕はまず、順を追って説明をしていこうと考えた。
「しかしその時、機械に感情を芽生させ、人間として生きさせることはできるのか、と言う実験も計画されたんです。」
白は何か考えているのか、目を少し伏せている。
「…………つまり、その実験に参加している機械、というのが……あなた。」
「……そうです。人間は僕だけを処分の対象から外し、人間に反抗する意思がないか検査をしました。」
もともとそんな意思は全くなかったんだけど。
あの戦争の中でも、僕たち介護用ロボットは1人も人間を殺していないし、むしろ何人か助けてあげたんだ。
「そして約300の検査を通り抜けて安全と認められた僕は、白が参加している実験に加わり、今に至るわけです。」
「…………。」
白は伏せていた目を上げ、目を合わせた。
「……状況を把握しました。私は白。人型スーパーコンピューターのテストno.13です。これからよろしくお願いします。」
「こちらこそ」
僕はそう言って、少し笑ってみせた。
「おっと。もうすぐ業務開始時刻ですね。朝食は何がいいですか?」
また少し目を伏せた。
考える時の癖なのだろうか?
「…………。甘納豆。」
意外だ。
7月10日 9時00分 業務開始。
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