あるゲームのエンディング

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炎の中で本当のぼくはとっくに死んでいて、彼に手を差し伸べられたあの瞬間から、ぼくのすべてはレツのものだった。  そう言ったら、彼は異世界から持ち込んできた「GB」という不思議な端末をその場で地面に叩きつけようとしたのだ。彼が元の世界に帰るためにきっと必要で、元の世界との唯一のつながりであるそれを壊そうとする行為に、ぼくは慌てて魔法でGBが地面に衝突するのを回避させた。  これはおれのものだ。壊しそうになったら、今みたいにカインは全力で守ってくれるだろ。おまえがおれのものなら、カインはもっと自分を大事にしろよ。おれを庇って死ぬとかぜってー承知しねえからな。
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