あるゲームのエンディング

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 彼の言葉のなにもかもが、ぼくにとっては生きる導だった。  それはもちろん、今でも。 「うん」  ぼくが頷いたのをしっかり確認してから、レツは満足したように最後の扉に手を掛けた。  扉の先にいたのは、スルドと同年代くらいの若い男だった。  その男は何度か、旅の途中レツのピンチを救ってくれた魔法使いで、あんなに強いのに誰も男の出身や拠点を知らないのが不思議だった。  ――オレ様弱いんだよ、ちびっこ勇者さまっていうのによ。  そう言ってレツの頭を撫でて、撫でるな、と声を上げるレツに「悪い悪い、つい癖で」と笑って姿を消す。
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