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瓦礫のけたたましい音が辺りに響くが、お構いなしにリュータの手を取った。
「上階まで飛ぶぞ!」
「う、うん」
座標設定の必要があるのは自分の視界に入らない地点だけだ。天井に穴があいて目視確認できている上階までなら、スマホが動かない状態でも移動ができる。
爆発に巻き込まれてもびくともしないあの獣人が、瓦礫の下敷きになったくらいでは死ぬことはないだろう。リュータとともに転移魔法を使い上階まで移動した。
「なんとかなったな」
階下を覗き込むと、瓦礫が盛り上がって、中から再び獣人が起き上がるのが見えた。リュータが首を傾げる。
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