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そんなことを口に出してレツに言えば彼はとても怒っただろうし、それはぼくらの胸の中に、決意として留められた。
ぼくらは、魔によって、そして魔をおそれる人そのものによって、すこしずつ滅亡に追いやられていく種だ。だからレツはそんな人間たちの希望の光だった。
つい先刻のことだ。連戦に次ぐ連戦の最中で、フェリサが足を止めた。
「ああもう、僧侶の女の子がこんな走ってられるわけないでしょ! まじ最悪なんだけど、魔王性格悪すぎ! もーパスパス。あたしちょっと休ませてもらうわよ」
「フェリサ、しんどいならおれ、おぶってこーか?」
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