31人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女らしくない温度の低い声に、背筋が凍った。
「あたしに遠慮してただけで、ほんとはあたしが使える魔法、全部習得してんでしょ?」
もっと上手く隠しておかなければならなかった。彼女がそこに気付きさえしなければ、ここに残るなんて、最初の一人目になるだなんて名乗りを上げることもなかったのに。
「あたしがいらない子にならないように、でも、万一が起こらないように、努力してたんだよね」
「……君じゃなきゃだめなんだよ」
「ありがとね。フェリサとしてならそうかもしれないよ。けど、……戦力としてなら、あたしじゃなくてもいい」
最初のコメントを投稿しよう!