あるゲームのエンディング

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 彼女らしくない温度の低い声に、背筋が凍った。 「あたしに遠慮してただけで、ほんとはあたしが使える魔法、全部習得してんでしょ?」  もっと上手く隠しておかなければならなかった。彼女がそこに気付きさえしなければ、ここに残るなんて、最初の一人目になるだなんて名乗りを上げることもなかったのに。 「あたしがいらない子にならないように、でも、万一が起こらないように、努力してたんだよね」 「……君じゃなきゃだめなんだよ」 「ありがとね。フェリサとしてならそうかもしれないよ。けど、……戦力としてなら、あたしじゃなくてもいい」
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