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フロアの壁を埋め尽くすような無数の宝玉から魔物が次々に溢れてくる、そんなトラップフロアで道を切り拓くには、近接戦闘のこなせる魔防の高い者が残るのがベストだろう。それはぼくにも分かる。けれどそれなら、ぼくが大技を使って一気に道を開いて二人を送り出すという選択肢だって有効なはずで。
そう提案した時、スルドが首を振った。
「切り拓くまでは良い。その後、魔物に囲まれた後衛のおまえはどうなる? オレなら、少なくとも死にはしない」
適材適所だ、と言う彼に、レツが軽口を叩く。
「いつもの死にたい病じゃねーだろーな?」
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