第一章 『お世話になります、沙紀先輩』

5/17
35人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
「沙紀、思いっきり嫌そうだね」  翌日昼休み、お弁当を食べながら友達の七平小百合(ななひら さゆり)に例の話をすると、小百合は苦笑する。 「思いっきりってわけでは……でも、うん、楽しくわいわい仲良くできる自信がなくて」  こんな自分で上手くやっていけるか。家の主の娘として、楽しく過ごせることができるのか。 「仲良くなったら沙紀は心を開くんだから、きっと大丈夫よ」  基本物静かでも、小百合とは仲が良く、勇気付けるように小百合は頷く。 「何かあったら、私がいつでも相談乗るから」 「ありがとう、頼りにしてるね」
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!