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「こんにちはーっ!梶尾さんのお宅ですか?」
チャイムが鳴ったものの、玄関にたどり着くには時間のかかる身体の俺は、片付けられない荷物をどうにか掻き分けながら、マンションのドアを開けた。
あきらめて帰りもせずに待っていた相手は若い娘で、まぶしいほどの笑顔と明るい声で自己紹介する。
「 梶尾正登(かじおまさと)さんですね?
私、ひまわりヘルパーステーションから派遣されて来ました、一ノ瀬 葵 (いちのせ あおい)と申します。どうぞ宜しくお願いします!」
なかなかの美人…いや、可愛らしいタイプというべきか。
大きな仔犬のような目をして、初対面の俺に人懐こい微笑を向けてくる。
柔らかそうなストレートの長い髪を後ろで束ね、耳には上品なパールのピアス。
首からヘルパー派遣会社の顔写真入りのネームプレートを下げているところに安心感が持てる。
「お一人暮らしとお聞きしています。さぞかしご不自由な思いをされていることと存じますので、とりあえず上がらせていただいても、よろしいでしょうか?」
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