season.3

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健常者の彼女が、障害者の俺に惚れるなんてあり得ない。 そう、以前の自分ならまだしも……。 「あの俺、元気な頃に、事故に遭う前に君に会ったことがあるのかな? 悪いがぜんぜん覚えていないんだけど」 俺にはまったく記憶にない。 いくら記憶障害があるといっても、こんなに可愛く魅力的な娘に会って覚えていないはずがない。 「いいえ、いいえ」 葵が、かぶりを振る。 「そんな昔のことじゃないんです。車椅子を漕いで、懸命に自動販売機でジュースを買おうとしている正登さんを見て、好きになってしまったんです。 私……障害を持った男性(ヒト)しか愛せないんです。信じて……もらえませんか?」
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