season.1

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「あ、どうぞ」 お察しのとおり、男の一人暮らしですのでむさ苦しい所ですがという言葉を飲み込んで上がってもらうことにした。 「おじゃましまーす!」 葵は微笑を絶やさぬまま、きちんと靴を揃えて部屋の中に入ってきた。 慣れた様子で所々、廊下を塞いでいるガラクタを隅に片付けながら台所にたどり着く。 「いきなりですみませんが、梶尾さん、お食事なんかはどうされています?」 葵は使っている形跡のない、ピカピカのキッチンに目を止めて尋ねた。 「ほとんど、配達の弁当か出前かな…こんな身体じゃあ、作れないし」 「まぁ……!」 「葵は仔犬のような目をウルウルと潤ませて言った。 「あまり、栄養的によくありませんよ、お身体に触ります。これからは、私が作らせていただきますね!」
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