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魔法界。
この機動界と対になる世界だ。
ただし、僕ははっきり言ってその程度の認識しか持っていない。
故に、その指示を聞いたところでいまいち現実味を感じることができない。
「魔法界……すみません、聞きたい事はたくさんあるのですが何から聞いていいものか……」
「とりあえず、話を最後までさせてくれ。お前には魔法界に行ってもらう訳だが、その目的をまずは話そう。目的は魔法界の調査及び魔法の習得だ」
「調査及び……魔法の習得!?」
ますます突拍子もない話だ。
「そうだ。晴れて魔法使いだ。なかなか夢のある話ではないか。そう簡単になれるものでもないぞ」
「そういう問題ですかね……。あの、目的はともかくとしてそもそもなぜ僕はこの任務を下されたのでしょう?」
「ふむ。それについて詳細はまだ話せない。ただ、魔法界について知る者が必要だ、という事だけ伝えておく。年齢や能力を考え、お前に白羽の矢が立ったというわけだ」
うーん。
経緯も教えてくれないわけか。
ただ、ここは考えても仕方がない。
長官に任務を下されれば、僕はそれを遂行するしかないのだ。
「話を続けよう」
長官が改めて切り出す。
「魔法界に行く方法についてはこちらで手配をする。また、向こうでの生活についても準備は済んでいる。というよりこの点をクリアできるのにお前は適任だからな」
「どういう事でしょう?」
「魔法界についての知識を得られると同時に、向こうでの身分も得られる一石二鳥の手段だ。ウィル、お前には学生となってもらう」
「つまり、学校に通うって事ですか」
「その通り。魔法学園の新入生だ」
入学おめでとう、と長官が真面目な顔で言った。
やはり、何かの冗談であって欲しい。
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