第三章

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「やだって! そもそもこいつより信治のほうがカッコいいし主人公やった方がいいに決まってんじゃん!!」  そんな今更なこと言われても、ということまで言い出した。勘弁してくれよ~微妙に言い返せないし。 「頼むよ荒川~」 「もういいでしょ! あんたが始めたんだからあんたがやんなさいよ!」  新庄が宥めようとするも荒川はそう言い残して出て行ってしまった。  静まりかえる教室。全員が新庄の動向を見守る。  おいおい、まじ。なんだこれは。 「じゃあ、仕方ない、今から私がヒロインだ! 喜べ古谷!!」 「お、おう!」  荒川が消えて面倒なことになったけど、新庄と劇出来るのはいいかも、と考えてた所で急に名を呼ばれ、妙に高い声が出てしまった。  よし、やるぞ!と静まりかえっていた皆を鼓舞する新庄だったが、かえってそれが無理をしているようで嫌な予感が胸中に湧いた。 「じゃあさっきのとこからね!」 「はい!」  指示の通り、立ち位置に行く。ゆっくりと歩いていくと、向こうからヒロインの姿が見えた。 「君は!」 「また……あったね」  
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