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「皆、ほかには出し物の案ない?」
壇上に立っているのは担任ではなく、いかにも活発そうな女子だ。名前は覚えていないが、向こうもこっちの名前など覚えていないのでおあいこだ。
周りのクラスメイトはあぁだこうだと自分たちの出し物を何にするかに夢中である。
一刻もここから立ち去りたい。いや、俺だってしたいよ? 加われるものなら、目の前の男子達がしているメイドカフェにしたらどんな衣装にするよって会話に混ざりたいよ! 俺はあえて本職のメイド衣装のほうがいいな!! 貞淑さに隠れているからこそのエロスっていうのがだぁ!
そんな話を普段黙りこくっている俺がし始めたらドン引きされること相違ないのでしないけども。
周りが楽しそうにしている分、周囲との温度差がどんどん耐え難くなってくる。
依然として議題は停滞したままでこのままグダグダになってしまうのではと心配になりだした刹那、
「はい! 私劇がやりたい!」
快活な声が響きわたる。これまでだべっていたクラス全員が口を止めて、彼女に向き直った。
手を挙げたのは、クラスでも一際目立つ女子、新庄榛名である。
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