第一章

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 ようやく終わった。劇なんてどうせカースト上位者ばかりが抜擢され、俺なぞは村人Bくらいに収まるだろう。そしたら、下手な飾り付けするより参加している感も出せるし楽かもな。 「じゃあこれからは新庄さんに文化祭担当として仕切って貰います。」  壇上の女子と入れ替わり、新庄が前に出た。そのまま早く締めてくれ。 「私はこの劇を本気でやりたいと思ってます、終わったあと皆満足出来るような劇にしたいです! だから皆もお願いします」  再び拍手が鳴り響く。うんうん、それじゃあ早く締めの言葉を。 「そして、早速なんですけど私と一緒に劇を作ってくれる舞台監督を募集します!」  新庄が呼びかけるが、答える声はどれも精彩に欠けていた。  曰く、部活が、バイトが……etc、とにかく全員がこの舞台監督を避けていた。新庄が本気でこの劇に取りかかっていることが分かり、それに伴う監督役など激務に違いないと察したのだ。 「皆部活とか忙しいみたいだし~暇そうな人かぁ~」 「あっ、古谷くん!」
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