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いよいよ、指導も終了し、使っていた教室の戸締まりを確認していると、煌々と電気がついた教室がある。
室内に入るとばらばらに散らかった紙切れやら文房具が転がっている。小道具班のやつら片づけもせずに帰りやがったなぁ。
「あ~あ、仕方ない。二人でぱぱっと片づけちゃおう」
「あぁ……」
人気のない校舎、静かな教室に在るのは小さな物音だけ。
片づけを始めてから無言の時間が続いている。いくら言葉を発さないとはいえ、俺もこの無言の空間は息苦しい。なにか話題はないか。
頭を巡らせると、ふっと疑問が沸き上がった。
「なぁ、新庄ってなんでそんなに本気なの?」
「どうしたの急に?」
「いや、ちょっと気になってさ」
ふーんと、新庄は興味深そうにこちらを見る。しばらく考え込む動作をすると、
「本気になりたかったから、かなぁ」
「へ?」
想像していなかった答えに間抜けな声が出た。
「いや、だからね。せっかく学祭なんだしクラス皆で頑張れる劇にしたいと思ったの」
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