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私は、美愛と神楽を実体化させ思いの外霊力を使いすぎた為にぐったりなっていた。意識を失う一歩前でフラフラの中、誰かに呼ばれ担がれ連れていかれました。温かくて、いい匂いがして、そのまま眠ってしまいました。
「起きたら説教してやる!犬神見習いのワンコロ達なら同情して譲ってやったが、よりによって狸の野郎を実体化させるなんて許せるわけないだろ?美愛も神楽にしてもそうだ!あいつらは、お前に甘えすぎて自分の力があるのに使わない。お前、優しすぎなんだよ!!」
私が寝ている隣で文句を言うもう一人の実体化した黒猫神様は、私の顔に優しく触れました。髪の毛を触り、隣で寝てしまいました。
そんな安心して寝ている中で不思議な夢をみました。
懐かしい夢でした。
一匹の見覚えがある黒猫が、私に近付きすり寄って来ました。
それは、友達の家にいた三匹の猫の一匹の黒猫で寒さに耐えれず亡くなったムラサメ君でした。
私に何かを伝えようと鳴いてます。
「ムラサメ君、愛希(あき)ちゃんと暁(さとる)君に伝えたいんだよね?」
『…ニャー』
ムラサメ君は、猫神様達みたいに人の言葉を話す事は出来ませんでした。
でも、一生懸命夢の中で鳴いて私に伝えようとしていました。
私がムラサメ君の気持ちを二人に伝えるにはどうすればいいか、それは猫神様に頼るしかありません。
早く起きて二人に伝えなくては。
「猫神様!?」
「ん…もう、起きた…お前、真佑についてきたんだな?」
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