23人が本棚に入れています
本棚に追加
― 3話 ―
店の前には、案の定ほかの4人と、その派閥の者たちが集っていた。まだ営業時間前なので、一体何事かと興味津々にのぞいている野次馬は、あたりの店の『従業員』たちのみだ。
「遅いですわよ、お姉様。私、早く入りたくて全身の血がうずうずしてますの」
「相変わらず好戦的だね、我らが『華陽姫』様は。血ということは、光龍のほうの血だろうね。
まあ、俺も似たようなもんだけどな!狩りの前は興奮すんだよなあ・・・」
「へウゼンも?僕らもそうだよ。ね?斎」
「・・・そうでもないけど。祐一が特殊なんだよ。普通の人間のくせに・・・なんでそんなに好戦的なの」
「テンション低いな、相変わらず。
まあいいや。姐(あね)さん、いつ入る?」
祐一の問いかけに、私はにやりと笑う。
「いったん裏に隠れていて、うちから一人偵察で入らせるのさ。そんで、合図してもらって突入と行きたいんだが?」
「へえ・・・。誰が入るんですの?」
「うちの遊び人、もとい副隊長に行ってもらうさ」
「は!?私ですか!?!?」
「ほかに適任がいるか?いると思う人ー?」
「「「「いるわけねーだろ(ないでしょう)」」」」
「そんな馬鹿な!?!?」
私たち五傑はにやりと彼に笑いかける。
「「「「「まかせた」」」」」
「ただ単に面倒なだけでしょう!?」
「「「「「それが何か?」」」」」
「この・・・!」
「まあ、落ち着け。大丈夫。これに着替えていきな」
「くっ・・・!どうなっても知りませんよ?!」
私たちは一抹の不安を覚えた。が、まあ、大丈夫だろうと判断し、作戦会議に移った。
その後、着替えた落葉に再び文句を言われたので、こちらも黙っているわけにはいかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!