そして、これからのこと

1/44
5279人が本棚に入れています
本棚に追加
/157

そして、これからのこと

 そして、季節は巡って……  永瀬家に新しい命がやってきた────  リビングに置かれたライトブルーのベビーラック。 すやすやと眠る小さな男の子の赤ん坊。  ユキとそっくりな栗色の毛と白い肌を持ち、永瀬にそっくりな瞳と鼻筋のラインを持つその子をクールで素敵と看護師に囁かれる永瀬とは思えないほど蕩けた表情で見つめていた。 「先生!いつまで和也と遊んでると遅れちゃいますよ!朝ごはんも途中じゃないですか」  洗濯機から出したばかりの洗い立ての洗濯物がたっぷりと入ったランドリーバスケットを抱えてリビングを横切るユキに叱られて永瀬は苦笑いする。和也の柔らかなほっぺを突っついてから永瀬はコーヒーの残りを喉に流し込み、パンの欠片を飲み込むと食器をキッチンに運んだ。食洗機にシンクに置いてあったユキの朝食の皿と二人分入れてスイッチを押すと、和也の泣き声が聞こえて永瀬は急いで和也が寝ていたベビーラックの傍らに舞い戻る。  ユキが週に二度ほど出産前に勤務していた小児科の外来を手伝いに行く日の朝は共働きの忙しい朝そのものだが、それさえも幸せで顔が綻んでしまう。     
/157

最初のコメントを投稿しよう!