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ぴよぴよぴよぴよぴよ♪
再び鳴いた。
…………?
鳴いたっていうか……鳴った?
微妙に電子音の感じがする。
もしかしてこれ…………。
ぴよぴよぴよぴよぴよ。
「ん……うん……? うー……」
ベッドの上の夏目が動く気配。
探るような衣擦れの音がして、
ぴよぴよぴッ。
「…………もしもし?」
『あっ、もしもし!? ひな!? アンタ今どこにいるのッ!』
「へ?」
『だから! アンタ今どこにいんのよ!』
わぁお。
会話筒抜けでっせ。
「ど、どこって──あ、保健室みたい」
回りを見て察したのかそう答える夏目。
おぅ。
もしかしなくても運ばれた記憶、ない?
…………ってことは。
「あ、待って、誰かいる──」
!?
シャッ
「ひゃあ!?」
俺の姿を認めて、彼女は短く悲鳴を上げる。
「…………………」
まぁ、そうなるわなー。
俺は黙って視線をあらぬ方向へ向けるしかなかった。
「だ、だれ」
「キミを運んだヤツだよ」
そう言うしかなかろうて。
「あっ、そうだ……アタシ、階段で…………」
お。
一応、思い出してくれたか。
「あなたが助けてくれたの?」
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