『蜂ヶ谷 六月』

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「鍋ヶ渕火識が気になるんだけど」  そう話を切り出したのは蜂ヶ谷六月だった。 「…………恋バナは女子同士でしてくれないか」  取り敢えずそう返してみた。 「誰が恋バナって言ったの……よっ!」  どすっ。 「ぐふっ」  蜂ヶ谷の拳が俺の脇腹にクリーンヒット。  こ、こいつ…………!  段々と遠慮が無くなってきてるな! 「ろくちゃん、めっ」  夏目がたしなめるが、蜂ヶ谷はツンとしてそっぽを向く。  こいつ……ッ、マジで……ッ。 「鍋ヶ渕って…………空手だか柔道だかにいるヤツ?」  実がプ○ッツをくわえながら言う。  おい、ちょっとは心配してくれよ友人。 「両方だよ」  意外にも夏目が答えた。 「両方?」  その答えに思わずおうむ返ししてしまった。  どう言うことだ? 「うん、彼、両方の部を掛け持ちしてるの」 「出来んのかよそんな事」 「うーん、彼だから出来るってところはあるかも」  ………………。  どんなヤツだよ。 「…………ふぅん」 「人の話にちょっとは興味持ちなさいよっ」  ずどっす。 「ごはっ」  蜂ヶ谷の、今度は手刀が脇腹に刺さった。  こいつ…………ッ。
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