第1章

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暗く狭い道を戻るように歩いて行き、抜けた時には太陽の眩しさで無意識の内に目を細めていた。 「やっぱりお日様が見えないと気持ちまで落ち込むわね」 「そうですね。今日は本当に良いお天気です」 ロゼルの後ろを歩く女性は、今までどこか曇っていた瞳を輝かせるようにして柔らかくそう言った。 相変わらず子供達が旗の影の上をぴょこぴょこと跳ね回っている。 と、そのうちの一人がロゼルに気付いて駆け寄ってくる。 「さっきのお姉ちゃんだー! 何してたの?」 「さっきも言ったでしょう? 近道してたのよ」 ロゼルは駆け寄って来た子供に視線を合わせるように屈み、その子の頭を撫でてやった。 撫でられた子供は嬉しそうに笑ってから、ふと彼女の背後にいる女性に目をやった。 子供はしばらく女性を見つめ、それからハッとして彼女の前に駆けた。そして大きな声で、 「エリンシアさまだ!!」 と、叫んだ。 その声を聞いた他の子供達は、ピタッと動きを止めて呆然としてから、歓声を上げながら女性の周りに集まった。 囲まれた女性は困惑しつつも頬を紅潮させて優しい眼差しで彼等を見下ろす。 「え~っと……コホン。こんにちは、みなさん。お元気ですか?」
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