序章
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揺れる揺り籠、聞こえる子守唄。何もかもが愛おしくて、懐かしい。 自分の名前を呼んでくれる優しい声音に、自然と頬が緩む。 その優しい声が激しく、強いものになったとしても、自分を癒してくれるものに変わりはない。 冷たい言葉も、酷い仕打ちも構わない。 だから、ずっと近くにいて欲しかった。自分を見ていて欲しかった。 たったそれだけの願いなのに、叶わなかった。 たった、それだけのことだったのに。
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