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「……っ!?」
視界が真っ赤に染まったのと同時に、目が覚めた。顔は夢の中で流した涙で濡れていて、冷や汗が頬や背中を伝っていく。
張り付いた前髪を掻き上げるようにしながら、落ち着かない鼓動を鎮めようと体を小さくする。
「…………」
か細いのにうるさい自分の呼吸。小さく唇を噛んでから、自分自身を抱き締めるようにして俯く。
冷たい静寂を照らすのは、銀色の月。
そっと顔を上げてそれを見上げれば、少しずつ心が落ち着いてくる。
ふぅ、と一息ついて、目を瞑る。暗闇の中に聞こえてくる微かな水音。
「……ーーーー……」
小さすぎる呟きは、誰の耳にも届くことはなかった。
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