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そう。忘れちゃいけない夢があるのだ。
いつか絶対に、喫茶店を持ちたい。
大好きな接客を思うままにできて、どんな顔して入って来たお客さんも、帰っていく時には笑顔になっている。そんなお店を作りたくて。今の仕事だって、勉強のためにやっている。
彼は外に働きに行って、私は店舗兼自宅のその喫茶店で働いて。
彼が帰ってきたら、ちゃんと夕飯を用意して。私はやりたいことの中の、一部に彼を置けるような人。
趣味がばらばらで、お互い縛らないでどこへでも行けて、でもちゃんと家はここにあって。たまには飲んで外泊したっていい。帰ってくるところがここであればいい。
そういうことが、夢物語でなくできると思えた唯一の人。
本当はどんな時も求めてやまなかったけれど、今は手の届かない人。
メッセージのやり取りで、近況をうかがい知ることだってできる。電話をしたら心はすぐに引き戻されて。
この一年、考えないようにしても考えてきた。毎日かは分からない。けれど、まだ私一人で立って歩けてる気がしないから。だから、戻れない。だから、捨てるの。いらないものを、ちゃんとそぎ落とす。
こんなに無心に衣替えから断捨離までしたのに、残ったものが私を表す。タロットカードを引いているんじゃなくて、人生の見直しをしていたはずなのに。どうしてこんなにも、私を左右するものが浮き彫りになってしまうんだろう。
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