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むかしの話
昔の話をしよう。
ネコおばさまの話だ。
本名は忘れてしまったけれど、とても高価で珍しい種類のしなやかなネコを常に腕に抱いてるその姿から、ご近所さんからは『ネコおばさま』と呼ばれていた。
時には、親しみを込めて。
時には、嘲りを込めて。
上品な立ち振る舞いと柔和な笑みで、いつも話題の中心だったおばさまを。
最後には、自身の排泄すらコントロール出来ずに、オムツを着けて夜中にウロウロと徘徊するようになったおばさまを。
そして、夜毎に野良猫を捕まえてはお屋敷に閉じこめて、殺し続けるおばさまを。
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