1人が本棚に入れています
本棚に追加
次の崩壊は、装飾品だった。
おばさまがいつも身につけていたアクセサリーが、日を追うごとに小さく、少なくなっていく。
おばさま自身は「暑いから」だと言っていたけれど、これまではたとえ真夏でも欠かしたことがなかったのに。
服装も、段々同じものが増えてきた。
それと同時に、家具も次々と姿を消していく。
僕が高校生になる頃には、広いお庭の花々は全て枯れ果てて雑草が支配していた。
時々、おばさまの家の前にとまる真っ黒の大きな車も、来なくなった。
そして、僕もおばさまの家からは足が遠のいてしまった。
だって、明らかに死んでいるシャンティの手入れを、いつまでもしているから。
動物の死骸って、こんな悪臭がするんだ……という知りたくもないことを教えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!