むかしの話

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 次の崩壊は、装飾品だった。  おばさまがいつも身につけていたアクセサリーが、日を追うごとに小さく、少なくなっていく。  おばさま自身は「暑いから」だと言っていたけれど、これまではたとえ真夏でも欠かしたことがなかったのに。  服装も、段々同じものが増えてきた。  それと同時に、家具も次々と姿を消していく。  僕が高校生になる頃には、広いお庭の花々は全て枯れ果てて雑草が支配していた。  時々、おばさまの家の前にとまる真っ黒の大きな車も、来なくなった。  そして、僕もおばさまの家からは足が遠のいてしまった。  だって、明らかに死んでいるシャンティの手入れを、いつまでもしているから。    動物の死骸って、こんな悪臭がするんだ……という知りたくもないことを教えてくれた。
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