【序章】

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【序章】

「……はあ…っ……ん………っ!」 布越しに胸の粒を摘まれ、伊織はびくりと身体を震わせた。 自身の汗と愛液でびしょびしょに濡れた襦袢が滑らかな雪肌にしっとりと張りつき、むず痒さに身を捩った伊織は羞恥も忘れて自ら裾を咥えた。 同時に下着を脱がされていた下半身が大胆にも露わになる。 すぐに羞恥を覚えて慌てて隠そうとしたが、むき出しになった初な性器が直接的な刺激を与えられていないにもかかわらず緩やか屹立する。 見慣れない生理現象に思わず目を奪われ、伊織の性器は今にも透明な滴が零れ落ちそうなほどに濡れていた。 伊織を見下ろす男の筋張った長い指先が擽るように性器に触れると初なそれは些細な刺激にも蜜を垂らし、厭らしく震える。 あまりに卑猥で艶めかしい情景に気後れして小さく息を詰める伊織とは反対に蜜事に慣れている男には十分な余裕があった。 白く滑らかな肌をしている太ももへと自身の熱い凶器をまるで自慰をするかのように幾度も擦りつけ始めると甘い快楽を得ようと腰を激しく揺らした。 「ふ…っあ…だめ……怖い…」 太ももに感じる固い感触とその大きさに驚いて思わず涙目になる伊織は咄嗟に男の胸板に手を当てて、動きを止めるように大きな瞳でリデルタをじっと見上げた。 「…怖がらないで。イオリが可愛いすぎて、私は今にも食べちゃいたいくらいなんだ」 リデルタは熱を孕んだ指の腹で伊織の蒸気した紅い頬を優しく撫で、蜜事をしている最中とは思えないほどに優美な笑みを浮かべた。 異国の血を色濃く感じさせるリデルタの顔立ちは近くで見れば見るほど完璧に整い、気品に溢れる美貌を持ち合わせていた。 リデルタが身に纏うバスローブの襟元は大きくはだけ、そこから覗く鍛えられて引き締まった褐色の身体は逞しい。 その胸板に優しく引き寄せられるとまるで御伽の国の皇子に大切に守られているお姫様のような気持ちになれた。 艶のある銀髪を時折かきあげる仕草は大人の男の色気を感じさせ、それに見惚れる伊織を映す深みのある青碧の瞳は時間を気にすることなくいつまでも愛でるように優しく見つめ返した。
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