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それから数日、俺は大学へ行こうと家を出る。
梅雨に入っているとは言っても、今日は夏至が目の前に迫っているからか、日は高く昇っていた。
眩し過ぎるようにも思える太陽はこれからの夏を思い起こさせて熱が痛みのように肌に伝わるようだった。
そうして歩いていると、澤山さんが働く書店の裏口近くを通った。
普段はそれほど気にしていないのだけれど、澤山さんのことがあるから自然と視線が向いた。
「荒井くん、ここにある分もチェックして配置して、雑誌のエリアの整理を――」
「分かってます、やっときます」
「・・・・・・そう、じゃあお願いね」
カートのようなものにたくさん積まれている段ボールを前に澤山さんは部下に指示を出しているようだった。
普段何気なく書店に行って本を手に取るけれど、あれだけ毎日色んな本が入れ代わり立ち代わり並んでいるのだ、こうして書店員たちも努力がなければ俺たちは新たな世界には出会えないのだろう。
そう思った。
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