ピンクの鯨

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ピンクの鯨

私は小さい頃からピンクの鯨の夢をよくみた。 おそらく、小さい頃水族館でママに買ってもらった手のひらサイズのピンクの鯨のぬいぐるみの影響だ。 私はそのぬいぐるみが大好きで、いつだって枕の側に置いていた。 夢に出てくるピンクの鯨は、いつだって私よりずっとずっと大きい。 つるつるひんやりとしていて、歩いたり、強く押すとぶにっとへこむ。 私はピンクの鯨の上に乗り、あちこち旅をする。 あんまりにも大きいから、乗るというよりも住んでいるといった方が正しいかもしれない。 鯨の上にはベッドもあるし、ソファーもある。 お気に入りの本もあるし、ピカピカのバスタブもある。シャワーを浴びたければ鯨に頼めば潮を吹いてくれる。 大きな箱には沢山のお菓子が入っていていつだって好きなだけ食べる事が出来る。
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