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遺跡発掘師は笑わない 桑原水菜著 『 ほうらいの海翡翠 』
遺跡発掘師は笑わない
(角川文庫)桑原水菜著
一話
『 ほうらいの海翡翠 』
西原無量のレリック・ファイル
まず思うのは栗原水菜さんの主人公は
清廉であること、生身なのに後ろには何か鬼とか、霊とか、その様な超自然のものを感じ取れること、要はありきたりな主人公では絶対にない。
今回の西原無量という、二十代の男性は、特に特殊な力をその右手に持つという登場の仕方で、其れはお祖父さんから怨念の様な遺産をその手に抱いているという。
遺跡歴史という、水菜さんの超お得意の世界で、満遍なくその知識と探究心とを闘わせて、あっと言うまに、難しく触れにくいテーマ、天皇の起源まで持って行った。そしてそこに現代人の欲を絡ませたテンポの良い展開にまたまた脱帽。
忍という、名前からして不幸を感じさせる登場人物の二面性も、ハードな謎解きをやや甘く期待させるような面を創り出し、面白くしていたし、出てくる女性キャラが萌にしろが鶴にしろ、キャサリン、御大の娘、皆強くてしなやかで、男らしいのに、思わず水菜さんの女のこだわりが見えて笑ってしまった。
うちの家も父親が鉱石、石好きで、色々な石をお金をかけて集めていた素人収集家であったので、鉱石の名前も知ってるものがあるのがとても楽しみだった。
そして、今回kindleがとても良かったのは、わからない名前をすぐその場で調べられること、確かにお手軽に調べるのは知識として偏るが、直ぐに概形がわかるのはとてもスムーズに読み進めるためには良かったと思う。
じっくり調べるのは本を読破してからでw
第1回目 読了 20170709
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