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遺跡発掘師は笑わない
(角川文庫)桑原水菜著
二話
『 出雲王のみささぎ 』
西原無量のレリック・ファイル
読後感
続き
途中、九鬼という研究者が、
発掘された遺物の実測図に関して、石鏃私考という教書を萌絵ちゃん(すっかり馴染んだんでちゃん呼びします)に紹介してくる、これが最後まで関わってきている。
探してみたけれど、この著筆が、あるかどうかは分からなかった。
が、
明らかに歴史上の事実と、話のために付け加えてきたところ、とどちらも違和感なく溶け込んでくる、水菜さんの徹底的な取材、文献探し、そして咀嚼してから使用すると言う、見事なまでの姿勢が、益々磨きかかる。
裏付けされた大道具小道具に、無量、忍、そして今回の出雲の旧い制度とか、土俗的なもの、に縛られ引き裂かれ、突き落とされた人のジレンマ、懐古、汚れた手、情念をはめ込んで、読み手は、グイグイと物語に入っていく。それも、傍観者ではなく、言葉や地名、そして不明な記述を調べながら、辞書を片手に辞典を巡りながら、(スマフォ検索だと圧倒的に浅くなるけど~そこは、関連書物を後で読むとか)話の進捗について行く。時には、迷子になることもあるけど、確りと繰り返し読めば、水菜さんの引いた路に辿り着くのです。
今回、出雲という、自分でも興味があって、何回か調べ、尋ねたところであり、懐かしく、また違ったヒントを貰い、そほして、今年の夏も再び旅します。
刺激されるな~~水菜さんには、いつも!
第2回目読了 2017 07 12
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