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「まだ見てない方もいらっしゃるでしょうから。ダイジェスト版をご覧いただきます」  バスローブ姿でわたしの横に座ったまま、ゆるく腕を撫でていた佐藤は、その声に微笑んだ。 「和行さん……?」 「黙って。これから君のかわいい姿をみてもらうんだよ」 『ぁん……いや』  一気に鳥肌がたつ。聞こえてきた声はまぎれもなく自分のもので、プロジェクターで映し出された映像は、エネマグラを挿入された、わたしだった。 「いやああああ!」  必死の力で暴れても体格差にはかなわない。ましてや片手を固定された状態では逃げをうとうにも悶える程度にしかならない。慣れた手つきで猿ぐつわをされ、アイマスクをつけられる。  暗闇になり敏感になった聴力が、あられもない自分の声をあますところなく拾い上げる。  自分の呻き声  イク、イクと上ずる声  強請る掠れた声  クチュクチュ、ニチニチ、水音と卑猥な音 「和行さん、かずゆ……き、さぁん」甘える声  もはや、暴れる力も、抵抗する気持ちも、すべてがしぼんだ。早くこの夜が終わることだけを祈る。  自分の愚かさと無知さを悔いても後の祭り。  初恋は思いもしない形で終わりを迎えた。
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