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#1 初恋の相手
七月十一日 午前八時三十五分
蝉が鳴き始め、より一層暑さが増してきた。
私立の学校だからか、少し遅い期末考査が今日で終わる、はずだった。
確かに期末考査は終わった。
だが、まったく安心できなかった。
決して、テストが返却されるからではない。
期末考査が終わるとともにとんでもないやつが来た。
そいつはある意味俺が夢見ていた転入生だった。
ある町の山の中にある学校。
失礼かもしれないが、漫画のようにきれいな先生は一人もいない。
基本、高齢か、中年の先生ばかりだ。
新任の先生は必ずと言ってもいいほど不細工だ。
それに男の先生(特に数学とかの理系の先生)は、決して阿保ではないが変人が多い。
ただ、うちの担任の先生は男の先生でまだ若いほうで、数学の先生なのだが例外としてキレやすいという面以外では普通である。
滑りの悪いドアをゆっくり開けて、教室に入ってきた。
「よし、時間がないから早く座れ。終礼始めるぞ。言っとくな、このクラスに転入生が来ます。ただ、なんて言うんだろうな、先生が見た感じ何か変わったものに見えた」
うちの担任は数学の先生のくせに、家柄は思いっきりお祓い師だ。
もちろん普通の人が、霊とか妖怪なんてものを信じるとはこれっぽっちも思っていないがよく言うのは科学者ほど信じない。
もし、信じるのならその人は科学者じゃないかもしれない。
まあ、担任の言う変わったものには汚いものや、気色の悪い物(人に死体とか)は入っていない。
担任の言う変なものとは、幽霊や妖怪など、基本あの世に居そうなものだ。
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