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ルイノアルには死後、強力な魔石となる瞳を持つものが数多く現れる。
ルイノアルの魔石を持つ者は、そのほとんどが短命である。
魔石は持つものが生前相棒と認めた者と、その子孫にしか扱うことは出来ない。
魔石を持つものの外見は普通と変わらない。が、その魔力を秘めた瞳は紫色である……。
※
俺の相棒は黒髪黒目。この大陸にはごくありふれた、どこにでもいる子どもだ。
困る点は子どもであること。
何故ならば、剣士だと常日頃言っているこの相棒は、子どもであるが故に弱い。そう、この上なく、弱いのだ。
俺はといえば、俺も何の変哲もない子どもだ。ただし、ルイノアルの魔石なる物がくっついていたりするが。
子どもな為に、魔石はまだ魔力を発揮してくれない。
ハッキリ言って、負担以外の何物でもないのだ。
瞳の色は隠す事が出来ない故に、嬉しくない方々の歓迎を受けたりする。
そういう奴らは、俺を殺せば魔石が手に入ると、勘違いしているからやっかいなんだ。
なのに、俺たちには対抗手段が無い。
……だからこうして町のあちこちを逃げ回っている訳なのだが。
「だぁぁぁぁ。ちっくしょう。しつこいんだよ!!」
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