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それが乱されだしたのは最近だ。
どうやら俺が隠れても、相棒で判断を付けだした奴らは、幾度となく俺たちの前に姿を現してくる。人数がその度に多くなっているように思うのは、きっと気のせいではない。
俺を殺しても魔石は手に入らない、ということを奴らは理解してくれない。
今現在の俺が死んだとしても、大した力の魔石じゃないが、それでも一応魔石にはなる。強大な力のを持つ魔石になるには、俺はもっと成長しなきゃならない。生きている俺が、魔力を使えるようになるくらいには。
そして俺の魔石を手に出来るのは、俺の相棒だけだ。
無理矢理俺を殺した連中なんかに、俺の魔石は使えない。
持っていても、何の力も無い意味の無い石だ。
それを理解しない連中というのは、しつこい上に邪気に満ちていて、正直近付くことさえ遠慮したい。
俺が家族とではなく、今の相棒と旅を始めたのは、そういう連中が原因だった。
俺の親父がルイノアルの魔石を持っていたんだ。余談だが、俺は親父に似た。
奴らのような連中……強大な魔力を手に入れようとした連中が、俺の親父を捕まえて、両目をえぐった。親父の魔石は奴らに渡り、俺は親父を失った。
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