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「うわっ!」
デニムシャツとTシャツがまくり上げられ、腹部が露出する。
「何す」
「動くな!」
反論しようとした所に、少女が鞭のような声を浴びせた。
「ここが痛いんでしょう?」
少女の指が、右下の腹を押す。
「うぐ」
痛みが増し、思わずベッドから飛び起きそうになった。
「動かないで。すぐ終わる」
次の瞬間、目を疑った。
少女の手が、障子紙でも裂くように腹部に吸い込まれてゆく。
痛みも、出血も無い。
少女がウインナーのようなものを引っ張り出す。
俺の腸だ。
「もうちょっと遅かったら、破裂してたかもよ」
冷静に説明されるが、恐怖で声が出ない。
少女が人差し指と中指で、赤く腫れた部位を切断した。
無造作に腸を体内に戻し、傷口を一撫ですると、何も無かったかのように皮膚がつながった。
「私、園田リカ。よろしくね」
腫れた肉片を持って、少女がほほ笑む。
声が聞こえるや否や、俺はかかりつけの医院まで全速力で逃走した。
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