第一話 出会い

7/7
前へ
/8ページ
次へ
「レントゲンと血液検査。それから、点滴をしていいかな。痛みをとらないとね」 レントゲンを受け、奥のベッドで点滴を受ける。 「ビタミン、吐き気止め。それから、うーん、ブプレノルフィンを1筒」 結構強力な痛みどめだ。 点滴が進むにつれ、残っていた痛みは消え、夢うつつの状態になる。 「重人君、君医学部3年生だったよね」 天草先生が怪訝な顔をしながらベッドサイドに立った。 「白血球は1万5000だし、君の問診から、多分急性虫垂炎だと思ったんだよ」 「はぁ」 「僕、不勉強でよく分からないんだけど、生まれつき虫垂の無い人間って、いるの?」 え? 俺は先生が眺めるレントゲン写真を横から見た。 虫垂が、盲腸が、無くなっている! これが俺、敷島重人とウイッチ・ドクター 園田リカ、最初の出会いだった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加