意識暴走―insomnia―3

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「……世界なんて、どうだっていい! 勝手に終わればいい。俺が終わらせてしまえばいい! 俺がやりたいのは、世界を救う事なんかじゃない……!」  心の中で、ウジャウジャと蠢いていた何かが、一つにまとまったような気がした。 「俺は、お前を救いたい……! お前を救うことで、自分自身を救いたい……!」  新山が前に一度言っていた。目の前に浮き出た文字は、自分自身の心を表すものだ、と。  その前兆から導かれるように人の心に干渉し、人を救った気でいた。  しかし、いつだって救われたかったのは、自分だ。  幼いころに母親と別れ、父親に捨てられ、伯父と思っていた人物に裏切られて、ズタズタのボロボロにされてしまった、悲劇の主人公気取りの、自分だ。  自分の事しか考えてない。自分だけが、かわいい。  それの何がいけないのか。誰しもが、追い込まれた状況の中では、自分以外の存在なんて、どうでもいいと思うだろう。 「私を救う……? どうやって? 救われる必要のない人間をどうやって救うのですか!?」 「……必要ないって思ってるのはお前だけだ。自分の都合で世界を壊そう、なんて奴が、助けが必要ないなんてありえない」 「だったら、救ってみてくださいよ? ご自慢の文字化けの能力で!」  如月のその言葉で、初めて、この空間で文字化けが行えない事に気がつく。     
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