意識暴走―insomnia―2

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 自分が向かっている学校の制服を着た男性。その姿をどこかで見た事があるような気がする。  いや、知らないわけがない。その男子学生は、自分と同じクラスの人間だ。 「……お前……山下真か?」  先に口を開いたのは男の方で、その尋ねかけに真は応えない。 「無視かよ……そりゃあそうだろうなぁ? 今回の事件、全部、お前の仕業なんだろ? なんたって、死人にできるわけがねえもんなー?」  死人という言葉に、引っ掛かりを覚えて、訝しげな表情で目の前の男を見る。 「なんだよ、知らねえの? 今日見つかったらしいぞ? あの倒壊した病院から――――古井新の死体がよ」  一瞬、目の前の男が何を言っているの理解できなかった。  あれは大分前の出来事のはずで、古井新の捜索も既に打ち切りとなっている。  未だに瓦礫の撤去作業が進められていることから、その途中で発見されたのか。  生きていると思っていた。電車が真っ黒な文字に襲われた時も、真っ先に彼の顔が浮かんだ。 『壊そう――――世界を』  その言葉を体現するべく、如月に唆されるままに、世界に復讐しようとしていると思っていた。  でも違う。如月は別の目的で、古井新を使った。  山下真に、世界を真っ黒に染めさせるために。 「なあ山下。お前を殺せば、俺は普通に戻れるか?」     
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