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「着いたよ、まことくん……ここで、どうすればいいんだい?」
此方に横顔を向けながら尋ねかけるが、答えられない事を察してか、すぐに前を向き直る。
その瞬間、二人を誘うかのようにエレベーターのドアが開いた。
何かを確認するように、もう一度、横顔を此方へと向けてくる新山を、じっと見つめ返した。
「おかしいな……ここらへん全部停電してるはずなんだけど……」
真を背負った状態で、恐る恐る、エレベーターの中へと足を踏み入れる。
彼の言う通り、中は電気もついておらず、勿論、窓などない為、真っ暗だった。
一歩一歩、ゆっくりと足を進め、背に乗せた真の身体が全部エレベーターの中に入った途端に、ドアが閉まる。
その音に振り返った新山は、真を床に下ろして、扉の方へと駆け寄った。
ドンドンドンとドアを叩き、横に引いて開けようとするが開かない。
自分の力では開けることは無理だと判断した彼は、再びドアを激しく叩き始めた。
「誰か――――」
大声で助けを呼ぼうとした時、すんなりと扉は開いて、脱出することができた。
何がどうなっているのか、訳も分からないまま、真を連れてエレベーターから出ようと振り返る。
しかし、そこには誰もいなかった。
「まことくん……どこ……?」
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