恋路崩壊―disappointed love―1

3/15
前へ
/271ページ
次へ
(それにしても、疲れてるのかな……? おじさんの話の途中で寝そうになるなんて……)  そう思いながら、ここ最近の行動を振り返ってみると、納得せざるを得ない。  心中で溜息を吐きながら疲れている体に鞭打って、目下に存在するプリントを凝視する。頭を悩ませている原因は、このプリントも同じだ。  分かりきっているのは英語ができないこと。 「おじさんはどっちが良いと思う?」 「自分の将来決めるモンなんだからな。俺が口出していい話じゃない」  多分、寝ていた時に色々と話してくれてたんだろう。だが、生憎その言葉を聞いていなかった為、伯父からの助言が一切無い中で、自分だけで決断しなければならない事を改めて認識する。  そして、三分間ほど考え抜いた結果、 「理系にするよ」  その道を選んだ。しかし、そんな真に対して倉崎はもう一度、確認する。 「本当に理系でいいのかぁ?」 「ちょっと……さっきと言ってることが違うんだけど? 口出さないって言ったじゃないか」 「断じて、口出ししてるわけじゃないぞ。確認してんだ。理系は大学の学部が仕事に直結するからな。それにお前、数学良かったか?」  疑うように尋ねかける伯父は、夏休み前に返ってきた模試の結果を知らないらしい。     
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加