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(それにしても、疲れてるのかな……? おじさんの話の途中で寝そうになるなんて……)
そう思いながら、ここ最近の行動を振り返ってみると、納得せざるを得ない。
心中で溜息を吐きながら疲れている体に鞭打って、目下に存在するプリントを凝視する。頭を悩ませている原因は、このプリントも同じだ。
分かりきっているのは英語ができないこと。
「おじさんはどっちが良いと思う?」
「自分の将来決めるモンなんだからな。俺が口出していい話じゃない」
多分、寝ていた時に色々と話してくれてたんだろう。だが、生憎その言葉を聞いていなかった為、伯父からの助言が一切無い中で、自分だけで決断しなければならない事を改めて認識する。
そして、三分間ほど考え抜いた結果、
「理系にするよ」
その道を選んだ。しかし、そんな真に対して倉崎はもう一度、確認する。
「本当に理系でいいのかぁ?」
「ちょっと……さっきと言ってることが違うんだけど? 口出さないって言ったじゃないか」
「断じて、口出ししてるわけじゃないぞ。確認してんだ。理系は大学の学部が仕事に直結するからな。それにお前、数学良かったか?」
疑うように尋ねかける伯父は、夏休み前に返ってきた模試の結果を知らないらしい。
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