休息

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休息

午後四時を回り音楽室で部活の準備を始める合唱部メンバー。俺は昨晩から不調な喉に不安を感じていた。喉を摩りながら発生練習をしていた。 『あーーあーーあーー』やっぱり調子が出ない。 『大地。かすれ声じゃないか。風邪か?』林が心配する。 『昨晩から喉の調子が悪くて』 『過度な練習も原因かもな。大地はバンドもやってるしな。今日はとにかく喉を安静にしなさい』 『はい。分かりました。今日は病院寄って帰ります』 『うん。お大事に。また明日な』 俺は大会を控えている中、帰ることに抵抗はあったが、調子を戻すことに専念しようと思い、音楽室を後にした。 午後五時前には音楽スタジオに着いた。聴き慣れているギター音が聞こえる。スタジオには弓削田だけがいた。 『お! 今日は早いな。バンド優先で注力してくれるようになって嬉しいねーー。幅田と下野は来てないけど練習始めるか?』余程か嬉しかったのかいつもの倍はハイテンションの弓削田に伝える。 『ごめん。今日は練習厳しそうだ……』 『どうした? 声かすれてんじゃん』 『喉の調子悪くて。朝より更に悪化してる。病院行くから今日は俺抜きで練習してくれ』 『……そっか。二人には伝えとく。お大事にな。明日また練習しようぜ』 『あぁ』時間が経つにつれ、痛みが増し不安が倍増した。俺はとにかく病院へ急いだ。
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