ある町の話

彼女の引っ越し

中学校以来の友人である板野優姫が結婚することになった。

旦那は大学生時代の同研究室の学生で公務員をやっているという。

ちょうど結婚と同時に旦那の転勤が決まったので優姫たちは引っ越すことになった。

優姫たちの引越しの日はちょうど私もオフの日だった。フリーのカメラマンなんて案外好きな時に休めるものである。

そんなわけで私は優姫たちの引越しを手伝うことにした。古くからの最も仲の良い友人だし、webデザイナーの彼女からは仕事を貰ったりと公私共によくしてもらっていたので、ささやかな恩返しというわけだ。