星の下で

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僕は彼女と一度だけ話したことがある。 中学二年生のある雨の日。彼女は教室で落ち込んでいた。今にも泣きだしそうだった。おばあちゃんに買ってもらったイヤリングをどこかで落としてしまった、と友達の男子から聞いた。 その日一日、彼女は落ち込んでいた。 放課後になると、彼女は一目散教室を出て、雨も構わずイヤリングを探しに行った。 僕も友達には帰ると嘯きながらイヤリングを探した。彼女と何か話すきっかけがほしかった。でも恥ずかしいからクラスメイトに見つからないように、こそこそと探した。 そして偶然、僕は彼女より早くイヤリングを見つけた。星をかたどったそのイヤリングは泥で汚れていた。 連絡先は知らないので家に届けることにした。 ポストにでも入れておけば気付くだろうと考えた。 この時の僕はこの行動では話すきっかけはできないことに気付いていなかった。しかしこの行動は間違っていなかったと今なら言える。 僕が彼女の家のポストにイヤリングをいれようとした瞬間、声をかけられた。
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