星の下で

6/8
前へ
/8ページ
次へ
「…頑張ってみるよ」 そう言って、目だけで彼女を探す。対角線上に彼女はいた。 考えただけで心臓が破裂しそうになる。少し息が荒くなる。 でも、このままじゃ何も変わらないから。 バシッと背中を叩かれた。 「頑張れよ」 そのヒリヒリとした背中が僕に勇気をくれた気がした。 「和樹、ありがとう」 「振られたときは慰めてやるよ」 恥ずかしくなったのか、茶化すように笑った。 「振られる前提に話するな」 僕も同じように笑った。 その後、星についてのプリントが配られ、担任がいくつか説明をした後二人一組のグループ分けがあった。 僕は偶然にも彼女と同じグループとなった。 これは神の導きだとしか思えなかった。 和樹のサムズアップに僕もサムズアップで返した。 屋上に上がると天体望遠鏡があり、これをグループで一台使う。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加