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その日の夜。
男は自宅で夜のニュースを見ていた。
『次のニュースです。
今日の午後2時ごろ、県内の高校で傷害事件が起こりました。学園祭のプログラム内の演劇においてレプリカのナイフが本物にすり替えられ、劇を行っていた女性の胸に突き刺さりました。すぐに病院に搬送され一命は取り留めましたが、警察は事件性があると見て捜査を進めています。
また警察関係者の証言によると……』
男はテレビを消し、ため息をついた。
「また失敗か」
そして、机の上に置いてあったスイッチを押した。
視界が暗転し、身体の平衡感覚がなくなる。
まどろむ意識の中、男は言った。
「次はちゃんと殺してあげるから」
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