: 披露宴 1st :

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  続けて由美の前を通る。 お色直しで着たピンクのショート丈のドレスが由美の綺麗な脚のせいで、妙に艶っぽい。 デコルテの開きも広く、目のやり場に困ってしまう。 「月ちゃーん、今日は本当にありがとぉー。  えーっと、あとぉ…」 「二次会の受付けでしょ?  お任せ下さい」 「そう、それっ。  アコとかミコとか育ちゃんとか使ってね。  手伝うようお願いしてあるから」 「うん」 由美から差し出されたドルチェを笑顔で受け取り、健太郎の前に差し掛かる。 健太郎と目が合った。何年振りだろう。 懐かしいような、不思議な感覚だ。 「神代さん、今日はありがとう。  2次会も受付けしてくれるって……、なんかごめんね」 神代さん、か。 ふふ。そうだよね。 でも、“なんかごめんね” って、 “なんか” って、何? …ムズムズする。 「いえいえ、由美のためですから」 笑顔で健太郎に答えたとき、一瞬由美と目が合った。 晩秋の頃、実家の回りでよく見た霜柱。 その無色の氷の冷たさが、由美の瞳に一瞬浮かんで、……消えた。
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